純粋で、穢れがなくて、何よりも強く、大きな存在感。あの石は嫌いだ。キレイすぎる。
あいつを見ているようで・・・壊して、穢して、めちゃくちゃにしてやりたくなる。
全ての授業が終わり、月は帰り支度をしていた。横には膝を抱えて前だけを見ている流河の姿。教室からどんどん生徒が出て行くのに流河は何か考えているのか身動き一つない。このまま帰っても良かったけど、月は思い立ったように流河に声をかけた。
「流河、今日うちに来ないか?」
とつぜんかけられた誘いに体をピクリと震わせながらも、少し考え流河は月の方を向き、
「すみません。今日はちょっと用事があるもので・・・」
と申し訳なさそうに答えた。
用事なんて本当はない。ただ、月と二人きりになりたくないための言い訳。
月もそれはわかっている。だけど流河の答えを聞かなかったように話しを続けた。
「おいしいって評判のショートケーキがあるんだけどな」
流河の肩がまたピクリと震える。
「・・・いきます」
ホント、可愛いな。そして、愚かだ。
「なら、さっさと用意して行こうよ」
月は笑みを浮かべながら流河の支度を促す。流河ものろのろと鞄の中に教科書類を入れ始めた。教室には二人だけ、外からは掛け声や楽器の演奏などが聞こえてきた。窓からは午後の優しい日差しが舞い込み月の頬を撫でる。月は始めて時間が止まればいいと思った。そうすればずっと流河といられる。
そんなことを窓を見ながら考えてた。
「・・・君?夜神君」
呼ばれたのにはっとして振り返る。
「な、何?」
「帰る支度できました。どうしたのですか?」
流河が首を傾ける。
「ううん、ちょっと考え事。さぁ、行こうか」
急ぐように教室から出る。そんな月を不思議に思いながらも流河は月の後について教室を出た。
あまり会話もなく二人は月の家についた。家は誰も居ないらしく月は鞄の中から鍵を取り出しドアを開け、二人は中に入る。月の部屋に通され、月は「ケーキを持ってくるから、適当に座ってて」と言い残し下に下りて行った。
一人残された流河は月の部屋をキョロキョロと見回す。もしかしたら、キラ関係の物があるかもしれない・・・そう思ったが、キラほどの者が無用心に証拠品をおきっぱなしにしておくはずない、とも思った。
やっぱり、何もない・・・そう思いながら諦めてフローリングの上に座る。
「夜神君、遅いですね・・・」
抱いた膝に顔をうずめ流河はぽつりと呟いた。
月が下におりてから二十分ほどたつのにまだ月は帰ってこない。心配になった流河は下に行こうと部屋のドアを開るとそこには月の姿。手にはショートケーキと紅茶、沢山のミルクと砂糖。
「あ、流河。開けてくれたの?気が利くな」
にこにこと笑いながら月は部屋に入り、ケーキと紅茶を机に置いた。
流河はおどろきを隠しながら、落ち着いてドアを閉めた。
「・・・遅かったですね」
もとの位置に座りながら流河が当たり前の質問を口にする。
「ああ、紅茶がなかなか見つからなくてね、流河紅茶でよかった?」
さらりと月が答える。
「いえ、かまいません」
それにつられて流河も答える。
ここで不思議がっても何もない。早くケーキを食べて帰ろう。流河はケーキに手を伸ばしたがケーキは月の手によって取り上げられてしまった。
「夜神君。ケーキ返してください」
流河が不機嫌そうに言う。
「ケーキは宿題が終わってから」
「宿題なんて夜神君一人で十分できるじゃないですか」
「友達とやるってとこがいいんだ、流河もケーキが食べたかったら早く宿題終わらせようよ」
「・・・分かりました」
「友達」という言葉に反応し、流河はしぶしぶと自分の鞄から教科書とノートを取り出し、フローリングの上に広げた。その姿を見た月も自分の宿題に取り掛かる。
入試試験をトップで入った二人にとって宿題はあまりにも簡単すぎたようで、開始から数十分で宿題は終わった。
「簡単すぎだな」
月は椅子から降り流河の向かい側に座った。流河も宿題を鞄に詰めながら頷く。そして、月の机の上にあるケーキをちらりと見た後、月に目をやる。
「宿題も終わったし、ケーキでも食べるか」
月が背伸びをしながら二人の間にケーキを置いた。
「喜んで」
流河の顔がふっと綻んだのを月は見逃さなかった。
「そんなにケーキが食べたかったの?」
紅茶に大量の砂糖とミルクを入れる流河に苦い顔をしながら月が言う。流河はティーカップをカチャカチャと混ぜながら、はい、と答える。
その姿はあまりにも無邪気でまるで子どものようだった。ケーキ一つでこんなにも幸せになれるだろうか?月はムグムグとケーキをほお張る流河を見ながら自分の紅茶に手をつけた。
「夜神君は砂糖もミルクも入れないんですか?」
「今日はね。前でそんなにたくさん入れられたら見てるだけで甘く感じるから」
「まだまだ甘くないですよ」
そう言いながら流河は砂糖に手を伸ばし、さらさらと紅茶に入れ始めた。
「まだいれるのか・・・」
もう何杯いれたかわからない。きっとティーカップの底には溶けきらなかった砂糖がたまっていることだろう。
月はそのことを考えると紅茶を飲む気もなくなってきた。手にしていたティーカップを受け皿の上に置き、軽くため息をつく。流河のケーキを見るともう苺しか残ってない。それをコロコロと皿の上で転がしてはクリームをかき集める姿に月は目を奪われた。ニヤリと意地の悪い笑いを浮かべると、フォークを持つ流河の手を掴みその先についた苺をパクリと食べてしまった。
「あぁ・・・」
流河が悲痛と怒りをこめた小さな叫びを発した。ジロリと月を睨み、月の前にあるまだ手をつけてないケーキを指差し、
「それ・・・食べないんですか?」
月を睨みつつ静かな口調で呟く。
「食べたかったら食べていいよ」
「いただきます」
月のケーキ皿を手に取り、流河はケーキを食べ始めた。
「うまいか?」
「・・・はい」
ケーキが半分くらいになったとき月は自分のフォークを手に持ち、何とまた流河の苺をパクリと食べてしまった。
「・・・っ〜〜・・・!」
流河は声にならない叫びを叫んだ。
さっきより恨みがましく月を睨み、
「もう帰ります。ケーキご馳走様でした」
嫌味いっぱいに月にはき捨て、その場を立った。
月はその手をつかみ流河を上目つかいで見上げ、からかいを含めた笑いをつくった。
「そんなに苺が食べたかった?」
流河はいじけた様な顔で月を睨み、別に・・・と一言。
月はクックッとのどの奥で笑い、ぐっと流河の腕を握る手に力を込める。
「っ・・・」
流河が痛みに顔を歪ませたのと同時に月は流河をベッドへ突き飛ばした。
ギシギシと2人分の体重を支えたベッドが唸る。
そして、すぐに勢いよく流河の上に覆いかぶさった。
「なっ・・・に、するんですか?」
「黙って」
流河の両手の自由を奪い激しく唇を塞ぐ。
「ふっ・・・んぅ」
流河は酸欠でクラクラしてきた頭を精一杯振り抵抗したが、月はそれを許さず髪を掴み角度を変えて更に深く流河の口内を貪る。
飲みきれなかった唾液が流河の首筋を伝い、シャツに染みを作る。
「ぅ・・・はぁ・・・」
流河の抵抗が弱まったところで月は唇を離した。
ぜいぜいと荒く呼吸をする流河のシャツを乱暴に脱がせ、胸の突起を舐める。
ピクッと流河が振るえ、月の頭を掴んだ。その手は恐怖で震えていた。
「怖いか?どうせ初めてじゃないんだろ?」
月が残酷な言葉を発すると流河は、
「こんなこと・・・したこともっ・・・されたこともないですよっ・・・」
と言い横を向いてしまった。
「へぇ・・・てっきり慣れてるんだと思ったよ」
嘘。何も知らないキレイなままだと思ってた。
流河の顔がカッと赤くなる。
「へぇ、そんな顔もするんだ」
月が笑いながら言うと、流河は頭を掴んでいた手で自分の顔を隠した。
流河のそんな仕草にゾクッとしつつ、もっといろんな仕草が見てみたくなり、震える流河の手を掴み顔から離そうとするが、流河は精一杯の力で抵抗した。
月は舌打ちをすると、腕を掴んだまま顔を下ろし、流河の胸の飾りを力いっぱい噛んだ。
「いたっ・・・」
痛みで力が抜けた流河の手を素早く自分のネクタイで縛る。
「外してくださいよ・・・」
「ダメだよ。だって流河顔隠すもん。流河のイイ顔いっぱい見たい」
「最低な人ですね・・・あなたは」
最高のほめ言葉だよ。そんなことを思いながら流河のズボンの膨らみに手をかける。
そこは窮屈そうにズボンを押し上げ誇張していた。
「痛くされてるのに感じてるの?淫乱だな」
「なっ!違います!・・・んっ」
月はズボンの上から膨らんだ部分を舐める。ズボンの上からでも分かるくらいにそこは硬くなっていた。
ゆっくり優しく月は流河のものを扱う。
月の唾液が染みをつくり流河を高ぶらせていく。
「あっ・・・ん、やめぇっ」
流河のズボンのジッパーを下ろし、すでに力を持ち始めたものを取り出すと剥ぎ出しになった部分をじかに舐める。
くちゅりと音をたてて流河自身が月の口に消えていき、月の口の中でぴくぴく振るえどんどん大きくなっていった。
「気持ちいいの?」
「ふああっ・・・ぁ、喋らないで・・・くださいっ」
自身を口に含まれたままで喋られ、初めての感覚に流河の背中が大きく仰け反る。
「何で?気持ちいいんだろ?」
からかう様に月が呟き、流河のものに軽く噛み付く。
「ひぅっ・・・んあああっ」
一際流河が大きく振るえ、月の口の中に欲望を吐き出した。
「イッちゃった?」
クスクスと笑いながら月が流河に口付ける。
どろりとしたものが流河の口の中に流し込まれ、それが自分の吐き出したのもだと思うと大きく首を振って抵抗した。
「自分のだろ?飲めよ」
月は流河の顎を掴み流河が放ったものを流し込む。全て流し込むとやっと口を離した。
「げほっ・・・ごっ・・・はぁはぁ・・・」
「どう?自分の味」
「・・・苦い」
「じゃあ、元から甘くしてやろうか?」
「・・・?何を・・・?」
月は流河の頬にチュッと軽いキスをし、ベッドから降りティーカップを乗せてきたトレーに手をかける。
そして、持ち帰ってきたのは紅茶に入れるはずの砂糖とミルク。
さっきの月の言葉の意味を理解した流河はベッドの上で身を震わせ後ろに下がろうとした。
だが、すぐ壁にあたり、月と壁にはさまれてしまう。トレーをベッドの上に置き、流河に手を伸ばす。
「逃げなくてもいいじゃないか」
月は流河の膝に手をかけ大きく開いた。
流河のそこは大きくそそり立ち先からは透明な液体を流していた。流河が足を閉じないよう片膝を押さえ、流河の中心の上でミルクの瓶を傾ける。
トロリとした白い液体が流河のそこを汚した。
「んんっ・・・ふぅ、あっああ」
敏感な箇所への冷たさで流河がぴくんと震える。
ミルクと精液で汚れたそこを月が激しく両手で攻め立て、流河を泣かす。
流河の瞳から雫がこぼれ、月を睨みつける視線は月の全てを拒絶するかのように怒りと恐れで満ちていた。
まるで、殺してやる、と言っているばかりに。
その視線にゾクリ・・・と月の心が振るえ更に闇が増したような気がした。
・・・ばかだな、そんな目で見られると男は余計に興奮するんだよ
片手で震える双球を強く転がすように掴み、もう片手で硬い蕾を撫でる、と拒絶の視線はたまらないと言った表情に変わり流河の口から甘い吐息が漏れ出す。
しわをなぞるようにじっくりと遊んだあと、ミルクでぐちょぐちょの蕾に一気に中指を挿入した。
「ひぁっ!い、いた・・・ぁああ」
初めて受け入れる刺激に流河が大きく身を震わせ、顔を歪ませる。
多少の抵抗はあったが慣らしたおかげで入れやすかった。
流河の中は温かく、どくどくと脈打つ感じがよく伝わってくる。
月は指を二本に増やし、ゆっくりと出して、強く入れたり、指を曲げて引っ掻いたりを繰り返し
、流河のそこを解していく。
ふと流河の顔を見ると月が笑みを浮かばせ、ちゅっと軽くキスを落とす。
「流河、その表情は誘ってるの?それに腰だって動いてるよ」
「!!な、にを・・・そんな、訳っ・・・あっ、やぁあ」
「うそつき」
三本に増えた指を激しく動かす。
濡れた水音が更に流河の悦楽を増幅させる。
「やめぇ・・・は、げしすぎぃ・・・んあああっ・・・あ?」
「今度イクときは一緒に・・・」
月が窮屈そうに膨らむズボンのジッパーを下ろすと、すでに天をむき先走りで怪しく光る雄が顔をだす。
流河の足を開かせ、じりじりと近寄っていく。
この後どうなるのか・・・流河の恐怖に満ちた顔が月の性欲を更に刺激させ、それだけで達してしまいそうになる。
ぴとり、と窄まる入り口に先端をあてがう。
「や・・・や、です。月くん・・・やめて、ください・・・」
「いくよ、流河」
ぐちゅりと音がして一気につきの腰が打ち付けられる。
指とは大きく異なる大きさのため、いくら慣らしたといえどもその抵抗は激しく、流河のそこは限界まで広げられる。
それでも強く最奥を目指し突き進む。
あまりの激痛に声もなく叫び、ガクガクと月に揺さぶられ目の前が真っ赤になる感覚にただただ戦く。
イク直前で止められた流河の震えるものを掴み、前と後ろで激しく快楽を与える。
触られたことで痛みの気が紛れたのか、封を切ったように流河が乱れ始めた。
「あ、ああっ、ひやぁ!いた・・・やめ・・・ああああ」
「流河って淫乱?痛いって言ってるのにココこんなにして・・・そうだ・・・」
腰の動きを止め、月がトレーに乗っているグラニュー糖に手をかける。
朦朧とした意識の中何をするのか考えられず、焦点の合わない視線で月の動作を探る。
グラニュー糖を両の手のひらに大量につけ、月と流河の結合部にも振りかけた。
「これでもっと甘くなるよ」
「ぃっ、ひあああああ・・・・」
ざらざらとしたグラニュー糖の粒が流河の内部と雄を擦り、あまりの快楽に頭を振り乱して奇声を上げる。
2人の熱と愛液でグラニュー糖が溶けスムーズに動くようになったかと思うと、また大量に追加し流河を責め続ける。
もう流河のそこは感覚がなくなるほど月に攻められ、だが無意識にもっと欲しいと月を締め付け奥へ誘い招く。
その誘いに乗り、月が一際激しく腰を打ちつけた。
「くっ・・・竜崎」
「やぁ、いや!・・・もっ、だめぇ・・・ぅあああああ」
月が流河の中に白濁を打ち付けると、流河が大きく仰け反り、意識を失った体は月と反対方向に倒れた。
一息ついて月は汗で額に張り付いた流河の髪を優しくなで上げちゅっと優しくキスをする。
暗い感情につつまれ、幻想の血で汚れた手で穢れた流河を抱きしめる。
「倒れるときくらいこっち側にくればいいのに・・・」
まあ、まだ機会は沢山ある。少しずつそう慣らしていくさ・・・。
やっと手に入れたんだ。もっともっと染め上げてあげる。もっともっと堕としてあげる。
綺麗なものほど汚すのが楽しい。
硬いものほど壊したくなる。
高価なものほど手に入れたくなる。
誰だってそうだろ?
穢れた石に価値はなく、お前はもう綺麗な綺麗な石じゃない。
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